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《ものひと地域研究会》農家をヒーローにする

丸山孝明(株式会社代官山ワークス代表取締役)

近年、ファーマーズマーケット(あるいはマルシェ)は、農産物の販路、地域ビジネスの振興、コミュニティ意識の醸成など様々な観点から注目が高まっている。

そこで今回は、東京などでファーマーズマーケットの企画運営している株式会社代官山ワークスの代表である丸山孝明氏をお招きしてお話を伺った。

実家が農家であったが、東京の大学に進学。卒業後は、出版会社の営業、外車ディーラー、アパレルメーカーを経るなど様々な仕事を経験したという。東京のファーマーズマーケットに出店しながら、家賃を節約するために野宿を繰り返すなどしていたが、ある時偶然、まちづくりの企画書を書いてみないかと言われて書いてみたのが「マルシェのあるまちづくり」という企画だった。フランスは各街区にマルシェを開催できるようなスペースが用意されているなど、フランスのようなマルシェを作ってみたいという思いがあったという。

結局その企画が採用され、そのために2013年に現在の会社を設立。「日本の農業を面白く、ワクワクスルような、子供があこがれるかっこいい職業にする」というのが会社の方針であるという。

現在の主な仕事は、首都圏などでマルシェを企画・開催し、生産者を呼んで、消費者との繋がりを作ること。最近は単なる賑やかしではなく、コミュニティの繋がりを生む「まちづくり」としての機能が期待されていると感じているという。老人ホームでマルシェをやってくれというような問い合わせもある。

直営の、マルシェを併設したレストランをオープンするなどの展開もしている。

また2017年から徳島県神山町ではじめた「tomos」(灯す)という取り組みでは、高齢者などへの配食サービスを行っている。ユニークな点は、リユースの容器を使用し、回収のために二度訪問をする。コストはかかるが、それによって利用者の食べ残しなどから健康状態などがわかったりするという「見守り」の機能がある。また、お弁当配達の他にちょっとした家具の移動など「お手伝い」などのサービスも同時に提供しているという。

丸山氏の活動は、単に物を売るとかサービスを提供するということではなく、その背景(あるいは前提)として「人と人をつなぐ」ということがベースにある。都市型マルシェであっても、神山のような農村地域であっても、その部分は共通していて、だからこそそれぞれのコミュニティの抱えている課題への一定の解決となっているのだと思う。その哲学は、まちづくりにおいて大いに参考になる。

(中野 桂)

講演会の様子
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