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授業レポート よのなか探求プロジェクト2021秋「私たちと政治の関わりを考える」ー議員への取材とワークショップを通じて

政治に期待するものは何かを考えた

彦根市議会と本学の連携協定にもとづき、2021年秋学期の授業として実施しました。この授業の目的は、若者の低い投票率や政治離れが言われるなか、いちばん身近な政治家である市議会議員と関わりインタビュー記事を作成したり、対話することを通じて、地域や政治に対しての当事者感を育てたり、社会の中の私の存在を考えてもらうこととしました。履修者は8名です。

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授業では、市議会についての講義、市議会議員を囲んでの座談会、インタビューと紹介記事の作成、市民とともに語るカタリバワークショップを行いました。まず講義では市議会の役割や具体的な業務を学んだ後、市議会議員3名を迎えてざっくばらんな座談会を開催しました。学生らは初めて出会う政治家に戸惑いながらも、なぜ政治家を志したのか、これから彦根をどんなまちにしたいのか、などの視点でお話を伺うことができました。


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次にインタビュー記事の作成に取り掛かりました。作成した記事が議員さんの選挙公報的なものではなく、学生が自分で聞き取り、感じたものを読んでもらえるメッセージ性のあるものに仕上げることが目標でした。そこでインタビューでは、通り一遍の表面的なものにならないよう、質問の深め方や広め方を学び、練習しました。練習で学生は「こんなことを聞いたら失礼になるんじゃないかな」と考えてしまい、質問ができなかったり、深めきれませんでした。「こんなこと聞いたら・・・」と考える時点で頭には聞いてみたい・知りたいという欲求がある。しかし「失礼かも」や「変に思われるかも」という意識が邪魔をしてしまうようです。質問者が遠慮していてはインタビューは前に進まない。思い切って聞いて一歩を踏み出すことで、目の前が拓けると伝え励ましました。


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地域連携教育推進室が行うプロジェクト科目のねらいの一つに「聞く力」「考える力」「伝える力」の向上があります。今回のインタビュー記事作成でもそのトレーニングを意図しました。インタビューして得たたくさんの情報を組み合わせ、加工し、不必要なものを削ぎ落とす。読み手のことを考えて、伝わるように編集し、デザインすることが学生に課されました。完成した記事は昨年度に作成したものを加え、全議員分が完成したことから、彦根市議会や本学・地域連携教育推進室のホームページなどで公開を予定しています。

プログラムの後半は「カタリバワークショップ」です。これは彦根市議会が議会報告会として実施しているもので、今回は、市民、特に、子どもたちでも参加できそうなタイトル「勇気を持って聞いてみよう。議員や市議会のあんなこと、こんなこと」と題して開催しました。学生らは全体の司会進行とグループディスカッションのファシリテーターを担いました。参加した市民が語る熱い思いや小学生が環境問題について問いかける姿を間近で見て、その熱量に驚かされたと、ワークショップを終えた学生が語ってくれました。


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今回の全プログラムを通じた振り返りでは、政治家とはどんな存在なのかについて自分の意見を持つことができたり、これからの政治との関わり方について考察したりと、地方自治、政治家と学生たちの距離は確実に縮めることができたようです。


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新型コロナの感染懸念があるなか、全てのプログラムを対面で実施しました。学生たちの学びを考えるなら、オンラインではなく実際に会い、語ることの与える影響は非常に大きいものでした。彦根市議会と大学の連携を活かした今回の取り組みを、今後は地域の未来を考え提案していく政策立案をするようなプロジェクトとして育てていきたいです。

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授業についての問い合わせ:地域連携教育推進室 0749-27-1348