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授業レポート SDGsプロジェクト「シェアについて探求する」

持続可能性へのキーワードは、身近な人との「おたがいさん」

この授業は、SDGs・サステナビリティ教育の一環として、学生が「持続可能性と私」を考える機会として行いました。「シェアすること」とはどんなことで、そのことによって何が生まれるかを体験することをねらいとしました。

 「シェア」という言葉自体は、SNSなどで投稿を「シェア」するという使い方や、経済面では「シェアリングエコノミー」として、モノ、空間、時間や技術などをシェアすることでお金の循環を生み出す仕組みとして使われています。しかし、この授業では、シェアリングエコノミーについて紹介しながらも、お金を介さないシェアや、お金以外の価値をやりとりするシェアに着目し、それらにはどんな形態があるのかを学び、実際にお金以外の価値のやりとりを体験してみました。

具体的には、「講」や「無尽」といった、日本に古くからあった相互扶助的な金融方式について話題にしたり、相互扶助や相互依存な関係を体験するギフトサークルのワークショップも実践して、お金以外の価値の交換も経験しました。このワークショップは、参加者同士で今必要としているモノやコトを全員が話し、次に自分が提供できそうなスキルなどを発表します。そうすることでギフトサークルの中でニーズとサポートのマッチングが行われる、というものです。実際のワークでは卵料理の作り方やおしゃれの仕方などを教えてほしいというニーズがあり、その知識を持つ学生が具体的なノウハウや YouTube サイトなどを紹介するなどをしました。このギフトサークルワークショップを毎週の授業で繰り返すことで、自分は役に立っているという感覚が生まれ、そして身近な人に頼るという相互扶助的な関係性を体感することができました。

さらに、SDGsの視点からは学生のニーズを受けて、エシカルコンシェルジュの風かおるさんを講師に迎え持続可能性やエシカルの考え方を学びました。

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ギフトサークルのワークショップで、自分のニーズが満たされ、また自分が誰かのニーズを満たしてお礼を言われるという他者との関わり方は、学生にはとても新鮮だったと感想をもらいました。デジタルツールでの関係性に慣れた若者にとって、リアルな相互扶助的な対人関係は少なくなっているのだろうと思います。お金以外の価値や「相互に」という感覚、いわゆる「おたがいさん」の感覚、今の時代だからこそあえて意識的に取り入れていきたいと考えています。

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問合せ:地域連携教育推進室 0749-27-1348