本年の地域共生論は、滋賀県立大学から上田洋平先生をお招きし、滋賀大学の彦根キャンパスにて開講されました。
時代が成長から成熟へと大きな転換期を迎える中で、地域社会にも様々な歪(ひずみ)が生じています。しかしその歪の中から利害対立や文化の違いを乗り越え、その違いを活かす「地域共生」の実現に向けた動きが始まっています。本講義では、日本の歴史の舞台裏として古来重要な位置を占めてきた近江の「里山」「人里」「里湖」「里島」のような様々な風土に根差し、自然・人・歴史と対話する中で鍛え上げられてきた近江各地の具体的な暮らしや文化、人と事業の事例をとりあげ、地域に根差したコミュニティの再構築や共生社会の創造への道筋や可能性について考えていくことを目的としています。
来年度は、初回に昨年と同様、滋賀県立大学から上田洋平先生をお招きし、地域共生論の科目としての主旨を説明いただき、これまでの地域共生論の主旨を継承すると共に滋賀大学経済学部の先生も参加することで講義規模の拡大が目指されます。
講義は初回と最終回のオリエンテーションとまとめを除き、大きく2つの分野に分けて展開される予定となっています。①滋賀の経済活動、②滋賀の市民活動です。経済活動については、滋賀の地場産業である信楽焼、彦根仏壇、日本酒製造等々の現状やビジネスシステムが解説される予定となっています。また、市民活動では、滋賀県の様々なNPO活動が取り上げられ、様々な分野での活躍が解説される予定となっています。
滋賀大学経済学部でもCOC+「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」の主旨に適合した講義が就業力育成支援室を中心に更にグレードアップされ、開講される予定となっています。この講義を契機にして、滋賀大学生の地域への理解や愛着が深まり、更なる地域貢献への意欲を持ち、結果として地域経済や地域の市民活動が活性化していくことに少しでも貢献できれば幸甚です。