このプロジェクトは、インプロと呼ばれる即興演劇を通じた体感型プログラムです。授業のねらいは、インプロワークショップを通じて、自主性、コミュニケーション力、プレゼン力に自信をつける、特に社会人基礎力のうち「意見や立場の違いを理解する」、「自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する」、「他人に働きかけ巻き込む」、「チーム―ワーク」、「創造力・発信力・傾聴力・柔軟性」を身につけることです。学生間の学びあい、関係性の構築を重視するプログラムで、PBL型プロジェクトへの導入になると同時に、学年を超えた幅広い関係づくりもねらいの一つとしました。
授業は1年生から4年生の19名が履修しました。実際に人やモノになり、即興でセリフを言い、展開させていきます。シナリオや脚本はなく、すべてが即興で展開する劇で、演技の巧拙を問うものではありません。
学生からは「思惑通りに進まなくても相手をたてて負け続けることで結果的には上手くいき、双方が勝ちを得る」「恥じず、恐れない心を鍛え上げる時間」「メンバーで劇の流れや場面設定、終わり方を劇の中で作り上げていかなくてはならず、とても難しかった」などの感想を得ました。
地域連携教育推進室で実施するプロジェクト科目のなかでは、初年次から履修しやすい内容です。即興表現を人前で行うという取組みを通じて、まずは自分自身の成長として「人前に立つことに慣れる」、次に「五感を意識した情報の受発信に気づく」ことがあり、一歩深めて他者との関係性に及ぶと「共同で一つのものを作り上げる呼吸感」や「リーダーシップ・フォローワーシップの理解と体得」へと繋がります。週に一度90分という時間的制約もあり、学生が初歩的な学びのレベルをなかなか突破できないことにジレンマを感じますが、指導スキルのアップに努めたいと思います。