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ハンセン病療養所の表象をめぐる実践と考究

社会システム学科 教授 阿部 安成

 国立療養所大島青松園社会交流会館(2018年2月23日の準備委員会でオープンは2019年に延期と決定)における展示準備の一端を担うとともに、園内の歴史写真を整理し、あわせて、ハンセン病療養所の歴史をめぐる展示の素材、手法、叙述について考究する事業の補助として、国立療養所長島愛生園と同邑久光明園での展示と史跡の調査、徳島県立図書館での新聞と文献の調査、広島市現代美術館での展示手法の調査を実施した。
 これらの調査をふまえて、大島青松園社会交流会館準備として、(1)展示プランを提示し、(2)園内保管の歴史写真のデジタルスキャンとデジタル撮影に着手し、(3)屋外史跡めぐりのための金属製銘板記載文章を執筆するとともに、その典拠となる史料のとりまとめをおこなった。
 当初予定の研究者等の招聘を一部変更して、阿部が出張して聞き取りをおこなった。2018年3月には長島愛生園において、ハンセン病をめぐる「博物館」の学芸員3名+ハンセン病史研究者+阿部によるワークショップを実施した。  以上の成果として、下記3 点を発表した(下記03は公刊に向けて再校校正中)。

【01】阿部安成「研究ノート 具体的なイメージにふれるこの機会を、実際に各館を訪れてみるきっかけに」という企図―国立ハンセン病資料館2017年度春季企画展「ハンセン病博物館へようこそ」と同展付帯事業「ハンセン病博物館へようこそ」各館活動報告会に寄せたノート」『滋賀大学経済学部研究年報』第24巻、2017年11月――国立ハンセン病資料館2017年度春季企画展とその付帯事業への批評。
【02】同「資料紹介 きりとる―国立療養所大島青松園キリスト教霊交会の写真」『滋賀大学経済学部研究年報』第24巻、2017年11月――香川県にあるハンセン病をめぐる療養所で結ばれたキリスト教信徒団体の霊交会で保管されていた写真についての歴史資料紹介。
【03】同『島の野帖から―ハンセン病をめぐる療養所がある島でのフィールドワークから歴史を縁どる試み』滋賀大学経済学部研究叢書、滋賀大学経済学部、2018年刊行予定――ハンセン病をめぐる国立療養所がある香川県の大島におけるフィールドワークの記録と、フィールドワークをめぐる論点の提示。

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