歴史資料の保存と公開と活用の実践論
社会システム学科 教授 阿部 安成
本研究は、【１】2015年度滋賀大学経済学部プロジェクト科目「地域における歴史資料の保存と公開と活用の実践論」（担当教員：青柳周一、阿部安成、須永知彦、坂野鉄也）と連動して実施された。このプロジェクト科目では、受講生にフィールドワークと講義を提供した。前者には滋賀県内の高島市知内、長浜市木之本、彦根城博物館での歴史資料の伝承と地元のようすを調査し（聞き取りをふくむ）、後者では本研究組織の構成員がそれぞれの専門領域をふまえた本研究テーマについて講義をした。【２】2015年6月4日と8月27日には、滋賀大学彦根キャンパスでワークショップを開催した。
【３】本研究組織の構成員はそれぞれにその専門領域において、本研究テーマにかかわる調査、講義、研究を実施し、それぞれに成果を公表した。
多岐にわたる本事業の成果については、公開したそれらの書誌情報を下欄に記載した。
本事業による成果はつぎのとおり。
【1】 阿部安成「忽然と、猛禽―『司祭平服と癩菌』書評余波」滋賀大学経済学部Working Paper Series No.230、2015年6月
【2】 同「異物混入―知念ウシを読む」滋賀大学経済学部Working Paper Series No.231、2015年6月
【3】 同「ドキュメンタリ・リテラシの稽古―みる、よむ、かんがえる」(1)滋賀大学経済学部Working Paper Series No.233、2015年7月
【4】 同「書評 輪倉一広著『司祭平服と癩菌』」『図書新聞』第3218号、2015年8月
【5】 同「ハンセン病を視せてあげる―NHK放送の2つの番組からドキュメンタリ・リテラシへ」滋賀大学経済学部Working Paper Series No.234、2015年8月
【6】 同「ズヴイカーアの使徒たち―『大学アーカイブズの世界』を読もう」滋賀大学経済学部Working Paper Series No.236、2015年8月
【7】 同「ズヴイカーアの番人たち―『公文書管理と情報アクセス』を読もう」滋賀大学経済学部Working Paper Series No.238、2015年9月
【8】 阿部、今井綾乃「〈歴史材〉を生かす」『滋賀大学経済学部研究年報』第22巻、2015年11月
【9】 阿部「復刊のときへ―ハンセン病をめぐる国立療養所における総合誌と〈戦後〉」滋賀大学経済学部Working Paper Series No.242、2015年11月
【10】阿部、今井「彦根高等商業学校の始まりの始まりへ」(1)『彦根論叢』第406号、2015年12月、同(2完)同前第407号、2016年3月
【11】阿部「手づくりで始まる―国立療養所大島青松園関係史料の保存と公開と活用にむけて」滋賀大学経済学部Working Paper Series No.243 2015年12月
【12】同「手づくりで詠む―国立療養所大島青松園関係史料の保存と公開と活用にむけて」滋賀大学経済学部Working Paper Series No.244、2016年1月
【13】同「楓の手づくり―国立療養所邑久光明園における第二次世界大戦後初期の総合誌」滋賀大学経済学部Working Paper Series No.245、2016年2月
【14】同「楓の印刷―国立療養所邑久光明園における第二次世界大戦後初期の文芸誌」滋賀大学経済学部Working Paper Series No.246、2016年2月
【15】同「なぞる／たどる―国立療養所菊池恵楓園社会交流会館特別企画展「入所者の足跡」批評」滋賀大学経済学部Working Paper Series No.249、2016年4月
【16】同「『文芸民族』という場所―1940年に香川で創刊された同人誌を知る」(1)『彦根論叢』第408号、2016年6月刊行予定
【17】同「鈍い剥脱―国立療養所菊池恵楓園社会交流会館特別企画展「入所者の足跡」批評」『滋賀大学環境総合研究センター研究年報』第13巻第1号、2016年8月刊行予定
【18】坂野鉄也「〈資料目録〉文書綴「昭和廿二年五月起 滋賀大学昇格関係書類」」滋賀大学経済学部Working Paper Series No. 237、2015年9月
【19】同「〈資料目録〉文書綴「昭和24・10～28・7 新制大学実状調査関係書 経済学部」」滋賀大学経済学部Working Paper Series No. 241、2015年10月
【20】青柳周一・松井直人「菅浦村の寛保三年争論関係史料〈二〉」滋賀大学経済学部附属史料館『研究紀要』第49号、2016年3月
【21】坂野、青柳、須永知彦、阿部「リレーエッセイ 私の教育実践」『彦根論叢』第408号、2016年6月刊行予定。
上記21編の論稿をとおしてわたしたちは、歴史資料の保存と公開と活用をめぐって、地域、地元、継承、忘却、展示、についての論点を提示した
研究成果一覧のページに戻る