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市場ニーズに適合した伝統工芸体験プログラムの開発

地場産業活性化プロジェクト2017夏
市場ニーズに適合した伝統工芸体験プログラムの開発

 近年、彦根市を代表する地場産業である彦根仏壇は長年の苦境にあえいでいます。その原因は様々ですが、主たる理由は仏教という信仰に熱心な信者が少なくなってきたこと、仏間を備えた日本家屋が少なくなり、近代的な仏間のない家屋が多く建てられていることと関係があるかと思います。そのせいもあって、彦根仏壇の製造業者や問屋で構成されている彦根仏壇事業協同組合のイベントには、数人しか集まらないという現状がありました。

 七曲がりフェスタはこうした現状を打破するため、彦根仏壇事業協同組合を主催者として、滋賀大学経済学部生や他の様々なNPOの力を結集して、彦根仏壇の生産の中心拠点である通称「七曲がり通り」にて伝統工芸や伝統的な街並みを体験してもらうイベントのことです。

 本プロジェクト科目では、この七曲がりフェスタで実施される伝統工芸の体験プログラムを若者でも楽しめるものに変えていくための企画の立案を目的としています。

 彦根仏壇の製造は、工部七職と呼ばれる七つの職能、すなわち「木地」「宮殿」「彫刻」「漆塗」「金箔押し」「錺金具」「蒔絵」で構成されています。伝統工芸の体験プログラムは、おおよそ1時間程度の時間内でこのどれかの伝統技能を体験してもらうプログラムです。例えば、「木地」工程なら下駄づくり体験、「漆塗」工程なら箸研ぎ体験などがその代表例となります。もちろん、このようなプログラムも人気がありましたが、どちらかと言えば、お年を召された方々が好む傾向があり、今回のプロジェクトでは彦根仏壇の問屋や職人と協力しながら、学生を中心とした若い人が好む体験プログラムを開発することが目的です。

 まず、新しい伝統工芸体験プログラムを開発するためには、学生に彦根仏壇の工部七職と呼ばれる伝統工芸を知ってもらうことから始めなければなりませんでした。滋賀大学経済学部の学生は、ほとんどすべての学生が彦根仏壇も知らなければ、当然のように七職についても全く知らないからです。実際、仏壇自体を見たことがない学生もいたくらいです。

上丹生(かみにう)や七曲がり通りに立地する彦根仏壇の問屋や職人にご協力をいただき、七職の見学にはじまり、それらの技能を使って、どのような体験プログラムが面白いと感じるか?また、実現可能か?を学生と問屋、職人が真剣に話し合う中で、様々なアイディアが生まれ、七曲がりフェスタで実行されることとなりました。そのひとつが金箔押しにちなんで金箔を使ったレジンアクセサリーを作成する体験プログラムや木地工程にちなんで木工でつくられた小型スピーカーを作成する体験プログラム、彫刻や金箔押しの技能を利用したインスタ映えするインスタポットの制作などです。金箔スライムの制作や彦根仏壇の技術を結集してつくられた鎧などの体験などもこの中に含まれています。このプロジェクト科目から生まれた学生のアイディアを取り込むことで、今年の七曲がりフェスタは例年にないほどの活況を呈しました。

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