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リスク研究ワークショップ第3回(2017年度) 20180319

リスク研究センターでは、平成30年3月19日(月)、リスク研究ワークショップ第3回目を開催致しました。

  日 時:平成30年3月19日(月)13:00~14:30
  会 場:滋賀大学 彦根キャンパキャンパス セミナー室(Ⅰ)(士魂商才館3F)
 発表者:郭カトウ 氏・滋賀大学大学院経済学研究科後期博士課程
     西村僚介 氏・滋賀大学経済学部・京都大学大学院進学内定


 3月19日(月)に第三回目のリスク研究ワークショップが開催されました.今回のワークショップは経済時系列データを用いた実証分析を研究している本学学生による研究発表でした.
 郭カトウ氏(滋賀大学大学院経済学研究科)は「人民元為替レートが中国の対外貿易にどれぐらい影響を与えているか?」という研究を報告されました.この研究では,複数の経済時系列データの相互依存関係を分析する際に用いられる代表的な手法である誤差修正モデルを用いて,人民元為替レートが中国の総輸出や総輸入に与える影響を調べています.誤差修正モデルでは,経済変数間の長期均衡関係と解釈することができる共和分関係と呼ばれる関係への収束過程が推定されますが,輸出モデルにおいてより速い収束がみられるようです.また,同様の分析は輸出入品を種類別に分けたデータに適用され,為替レートの影響を受けやすい財が特定されました.
 次に西村僚介氏(滋賀大学経済学部)は「日本における非伝統的金融政策の実証研究―QEとQQEの比較―」という卒業研究の内容を報告されました.近年日本銀行が行っている量的緩和(QE)や量的・質的金融緩和(QQE)の政策効果をベクトル自己回帰モデルという標準的な手法を用いて分析した研究でした.まず,先行研究と同様に2001年から2006年にかけて実施されたQEには一定の政策効果が認められるという結果が報告されました.一方,2013年以降のQQE期には政策効果は確認できず,アベノミクスの成果として喧伝される生産・物価・株価などの上昇は,該当時期における米国に代表される世界的な好景気に起因することが示されました.
 どちらの報告においても活発な議論が行われ,質問やコメントが多数ありました.お二人の今後の研究に活かされることと思います.

(文責 ファイナンス学科准教授 金谷太郎)

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