滋賀大学経済学部
サイトマップサイト内検索
滋賀大学TOP教育学部受験生の方へ地域の方へEnglish
GET!UD color View

20170317セミナー




第13回リスク研究センター主催セミナー
リスク研究センター社会心理学セミナー

リスク研究センターでは、平成29年3月17日(金)、元吉 忠寛氏をお迎えして、研究セミナーを開催致しました。

  日 時:平成29年3月17日(金)16:00〜17:00
  会 場:滋賀大学 彦根キャンパス 545共同研究室(ファイナンス棟5F)
  演 題:『リスク認知と防災行動の曖昧な関係』
 講  師:元吉 忠寛氏(関西大学 社会安全学部・大学院社会安全学研究科 准教授)  


【講演概要】

 本セミナーでは、防災・避難行動とリスク認知の関係が議論された。従来、リスク認知と防災行動は関連すると考えられてきた(例えば、災害の発生確率を高く認知するほど、防災用品の準備や防災訓練への参加などの防災行動を取る傾向がある、と考えられてきた)。しかし、近年の研究によって、リスク認知が防災行動に与える影響は小さいことが明らかにされつつある。元吉氏の研究では、さらに、防護動機理論(Rogers, 1983)や合理的行為の理論(Azjen & Fishbein, 1980)などを踏まえて、リスク認知以外の要因、例えば防災行動のコスト認知やベネフィット認知、主観的規範など、多様な要因の効果が検討された。複数の調査研究を通じて、防災行動意図に対してリスク認知は必ずしも強い効果を持たないこと、むしろベネフィット認知や主観的規範などが効果を持つことが確認された。こうした知見は応用的に重要なインプリケーションを持つ。従来の発想では、人々の防災行動を促す上でリスク認知を高めるような情報(例えば災害発生の可能性を強調する情報)を発信することが有効だと考えられがちであった。しかし、元吉氏の研究成果からは、リスク認知を高める情報より、むしろ防災行動の効果(ベネフィット)を強調する情報に効果があると考えられる。
 さらにセミナーでは、防災行動だけでなく、避難行動(目の前に危機が迫っている状況での危険回避行動)の行動意図に対するリスク情報の影響を検討した実験結果も紹介された。一連の研究を通じて浮かび上がったのは、リスク認知を高めることは避難行動の促進には役立つということ、同時に、避難に対するハードルを下げ、避難しやすい環境を整えることの重要性であった。また、実験結果は、昨今のメディアで見かける「命を守る」ことを強調したメッセージはあまり効果的ではない可能性も示していた。
 当日は、教員・大学院生・学部生に渡って様々な専門分野から参加者が集まり、活発な意見交換が行われた。(文責 社会システム学科准教授 竹村幸祐)


3

2


1

2




このホームページに関するご意見・ご質問は
滋賀大学経済学部リスク研究センター TEL:0749-27-1404 FAX:0749-27-1189
E-mail: までお願いします。